おじさんは反抗期

見た目はおじさん、頭脳は子ども

【元俳優の裏話】舞台俳優のルーティーン【関西芸術座】


舞台がないときのルーティーン

朗読、早口言葉、ストレッチ、筋トレ、ランニングなど

朗読

戯曲や小説などを淡々と声に出して読みます。ポイントはあくまで淡々と、感情的にならないこと
かといって平坦にならずに、アクセント(標準語)に気を配りつつ

「標準語」というのは、東京の山手線内で使われていると定義されています
NHKのアナウンサーがよいお手本です

俳優にとって「アクセント事典」は必須です

早口言葉

「あ、い、う、え、お、あ、お・・・」とか「あいうえお、いうえおあ、うえおあい、えおあいう、おあいうえ・・・」とか「あめんぼあおいなあいうえお・・・」とか

ストレッチ

クラシック音楽で、ラベルの『ボレロ』に合わせてしていました
『ボレロ』はおおよそ15分です

朗読、早口言葉、ストレッチは家の中でするので、マンションの隣近所に迷惑にならないように、ボソボソとしていました

筋トレ

自宅で自重
トレーニングジムに行くお金なんてありませんでした

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舞台があるときは、現地に集合したらすぐに舞台の設営

設営が終わったら、照明のテスト

ピンライトの位置を決めて蓄光テープで目印を付けます

音響のテスト

会場の広さによってマイクを使うかどうか、マイクの音量はどのくらいにするかを決めます

舞台が始まるまでは、自由時間

昼からの公演が多かったので先に昼食を軽く済ませます

ぼくはおにぎりを買ってくるか、出前が可能であればうどんを注文していました

昼食を終えたら

舞台に戻り、客席のあちこちで声を出して反響具合を確かめます
音の反響具合で発声の強弱・高低・スピードを変える必要があるからです

劇場の場合

などではクラシックやその他の舞台芸術もできるようになっているので、声の反響はさほど気にする必要はありません

学校の場合

学校の体育館なので、反射板なんてものはありません。鑑賞する人数や季節によっても微妙に違ってきます

どの席ならどのように舞台が見えるかも確認します。客席から死角になっているところで演技しても意味がないからです

ぼくだけのルーティーン

『外郎売(ういろううり)』で発声練習

「拙者親方と申すは・・・」という元は歌舞伎のセリフでしたが、俳優にとっては基本中の基本です

コツは淡々と、感情をこめずに。『外郎売』で感情を込めてしまうと、あとの公演に影響が出かねません。あくまで発声の準備運動です。時間にするとだいたい7分間です。早ければ3分くらい、ゆっくりだと15分くらいかかります。ぼくの場合は7分でした。

『外郎売』はぼくが高校時代に通っていた東映京都俳優養成所で俳優の大木吾郎先生の影響がありました
大木先生は東映京都の大部屋でしたが、演技に定評がありました

演技について厳しく教わりました。その大木先生曰く「自分の出番前には必ず『外郎売』をする」とのことだったからです
出番といっても必ずしもセリフがあるわけではなく、「太秦映画村」での仕事もあったでしょうが、どんな仕事の前でも必ず『外郎売』をされていたそうです

そういうわけで、ぼくも公演前には『外郎売』をしていました。劇団で『外郎売』をしていたのはぼくだけでした。まあ、役者それぞれ発声練習の方法はいろいろだと思います

心拍数を上げる

次にストレッチを入念にして、何本かダッシュをして、体を温めておきます

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泊りや地方巡演のとき

夜にトレーニングをしていました。ぼくはいつも縄跳びを持っていっていました。縄跳びをして、ダッシュをしてじっくりとストレッチをしていました

ぼく以外の劇団員は、お酒を飲んで宴会してました。ぼくはお酒がまったく飲めず、宴会に居づらかったのでトレーニングをしていました

お酒はある程度飲めたほうがよかったかな?と思います。お酒飲んで騒ぐのもコミュニケーションですし、そういう席でいろいろ教わることも多かったでしょうし。トレーニングはそのあとでもよかったかも、とちょっと後悔しています。いや…とても後悔しています

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