大学卒業を目の前にして、ぼくは大阪にある芸能事務所「M」に入りました
その芸能事務所「M」は、東京にもオフィスを持っていたからです
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レッスン料が必要な芸能事務所は絶対にあやしい!
ぼくが入った芸能事務所は「レッスン料」を払わねばなりませんでした
才能があったり、ルックスがよかったら「レッスン料」なんて払う必要はありません
事務所総出でマネージメントしてもらえます
ぼくがいた芸能事務所には関西ローカルで有名なタレント、Hさんがいました
また、スポーツ選手の娘さんで有名女優のF石さんがいました
その有名女優F石さんは、レッスンも受けずにすぐ東京でデビューしました
その後、その有名女優F石さんは、歌手で俳優の超大物F山さんと結婚されました
「実におもしろい」というセリフで有名な某理系ドラマの主役をしていた俳優さんです
俳優やアイドルになれる人
〇 「レッスン料」を払わずに芸能事務所に所属できる人
〇 親が超有名人
● 自腹で億単位のお金を出して、デビューさせてもらえる人
● 枕営業ができる人
俳優のギャラ事情
俳優のギャラにはランクがあります
AクラスからEクラスまで
A~Cクラスは台本に名前が載り、セリフがあります
Aクラスはギャラの設定が個別です
Dクラス、Eクラスは「エキストラ」
Dクラスはエキストラだけど、現場でセリフを指示されることがあります、アドリブってやつです
ぼくの経験でいうと、犯人役でワンカットだけの場面。刑事役の人に殴られます。ただ殴られるだけで声を出さないと不自然なので監督さんから「やられたときの声出して」とか言われます
Eクラスになってくるとマイクで拾われてしまうので声を出してはいけません
だれかとしゃべっているシーンでも「しゃべっている風」に見せているだけで何もしゃべっていません
芸能事務所を選ぶときは、A~Cランクの仕事をしているかどうかが大切
多くの芸能事務所と自称しているところは「レッスン料」を取って、D,Eクラスのエキストラを派遣しているだけです
ぼくが所属していた「M」にはAクラスからEクラスまでいました
レッスンがあって、3か月に1度「テスト」がありました
テストに受かると仕事がもらえるよ、という感じ
テストの内容はカメラの前での「自己紹介」と「演技」
落ちまくりました。たぶん見た目で・・・
イケメンというだけで演技も歌も下手な人が合格していきました💦
ぼくは真面目に授業を受ける日々
「演技」のレッスンで課題が出され、一人芝居のセリフを覚えることになりました
時間にして5分程度
他のレッスン生たちはまあ1分できるかどうか、つまずいたらその時点で先生に止められました
それをぼくは最後までやり切りました。5分間、最後まで
終わったら先生からも他のレッスン生からも拍手をもらいました
それでも、セリフを覚えられないレッスン生が「テスト」では受かっていくんです
きみたち、脱げる?
マネージャーさんによる講義もありました
「きみたちは監督から裸になることを求められたときに脱げますか?」と
15名ほどいたでしょうか、未成年の若い女性もいて。ぼく以外全員、躊躇なく手を挙げたんです
「脱げない人?」とたずねられ、ぼくだけが手を挙げました。演出上の必要性があって、脱ぐ以外に表現方法がないというなら理解できますが、そんなことってほぼあり得ません
ぼくの勘は鋭い?
あるレッスンでは、短い台本を渡されてその後の展開について考える課題がありました
恋愛モノです。先生が「この後、二人が幸せになると思う人は手を挙げて」と言いました
ぼく以外全員が手を挙げました。「あれ?めちゃくちゃハッピーエンドで終わっているのに、そのハッピーがその後も続くと思ってるの?」って思っていたら、その先生も「この二人は結局別れます」と。ぼくのセンス(読解力?)に問題はなさそうに感じました
腹が立つほどの「絶望感」
この事務所に居続ける限りレッスン料を払わされ、テストに落とされ、仕事ももらえない。ぼくは俳優として生活したかったのです。お金と時間を無駄に費やしたくありませんでした
翌年の3月、ぼくはその事務所をやめることにしました
東京へ移った同期たちは・・・
事務所で仲良くなった友だちがいたのですが、東京のオフィスに移りました。その後?音信不通です
東京で埋もれてしまったんでしょうね、仕事もなくアルバイトに明け暮れて